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September 24, 2004

小学生の天文知識

最近の気になるニュースに,
小学生の4割は「天動説」 天文台助教授ら調査
というのがあった。
かと思っていると,22日のニュースに
「地動説は中学で教える」文科省次官が反論
とあった。
単刀直入に言って,「嘆かわしい」思いがした。

地学教育を専門としている自分からすると,正直に言って,前の記事に載っている天文台助教授の危惧するところは全く同感である。
この国立天文台の縣(あがた)助教授は,以前は東京大学附属中・高等学校で地学を教えていた,まさに天文教育のスペシャリストである。この方の著作もいくらか読んだことがある。
いろいろ話せば長くなるので手短に述べると,文科省の次官の言に「理解できない段階(小学生)で単なる知識として教えることが良いことか」とあるが,それは小学生に失礼というものだ。
おまけに「中学校で科学的に教える」とあるが,それでは“中学校で学習するまでは天動説としての理解に留めておいても良い”ということを言っているのと同じである。
問題はそういうことではなく,“ゆとり教育”と称して学習内容を削減し,それを上級学校へ先送りしている教育課程システムを考え直さねばならない,ということなのではないのか。
このことは,年金問題と全く同じことが教育現場でもなされているっていうことを表しているのである。そう,すべて“先送り”。まさに憂うべき事態なのである。
このようなことで,科学技術立国である日本は,今後成り立っていくのだろうか??
真面目なレポートを真摯に受け止めて,アクションできるような人材は官僚たちにはいないのだろうか。
現場レベルには,Plan-Do-Check-Actionという経営サイクルを導入して,活性化しようと言っているのにもかかわらず・・・。
あぁ,ホントに嘆かわしい。

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Comments

申し遅れましたが、トラックバック有難うございます。
私の稚拙な文章をお読み頂き、大変失礼致しました。

奇遇ですが、私もジャズファンです。ビルエヴァンスなら、スコット・ラファロ等とのセッションの傑作(4部作)もいいですが、ソロもオススメです。

あのリリカルな演奏を、生で聴きたかったです。

Posted by: ひろ | September 24, 2004 at 02:39 AM

大半がテープで持っていたものなので,現在宝の持ち腐れ中です。現在,CDを捜しては購入しています。
スコット・ラファロ等とのセッションの傑作(4部作)は持っていませんね。
ソロはALONEだけしか持っていないので,捜して買ってみようと思います。
他にもいいのがあったら,また紹介してください。

Posted by: かねごん | September 24, 2004 at 04:57 AM

トラックバックありがとうございます。
私は「地学」大嫌い人間です。そんな私でも「天動説小学生」にはびっくりしました。
太陽がどの方角に沈むか答えられないなんて・・・「天才バカボン」じゃないんだから・・・

今の教育は1200覚えなくていけない物があるとすると、小学校で200中学校で300高校で700教えているような教育です。小学校で600中学校で300高校で300というように1年に100ずつ教える方が生徒も学校側も楽だと思うのですが、文部科学省はそう考えていないような気がします。
暗記術の一つに関連性で覚えるという方法があります。
「覚えることが少なければ『ゆとり』がある」というのは非常に短絡的発想だと思います。

Posted by: しろうさぎ | September 24, 2004 at 07:04 AM

トラックバックありがとうございます。

ゆとり教育もいいんですが、先送りにして後でしんどいのはかないませんね。
私が学生ならそう思いますね。

また、我が子の代にこんな教育内容でいいのかと頭が痛くなります。

ほんと、なんとかしていただきたいです。

Posted by: テルテル | September 24, 2004 at 03:26 PM

テルテルさん,コメントまでありがとうございます。
現在は戦後日本の教育の最大の転換点と位置づけられるかもしれません。
最近は,“ゆとり→学力”というふうに対極的にシフトしつつあります。
うまくバランスをとりながらできないものかと,現場にいながら試行錯誤です。
少なくとも理科教育は抜本的に改革の必要があることは確かです。

Posted by: かねごん | September 24, 2004 at 03:34 PM

しろうさぎさん,コメントありがとうございます。
小学生時代に“理解できないから”とか“知識注入詰め込みがいけない”とか言っていると,何もできないではないですか。
正確な理解はできないかもしれないけれど,覚えたキーワードをもとに学びを深めることってよくあると思うんです。そういう営みの中で関連性が生まれ,知識としても価値あるものになっていくのではないのでしょうか。

Posted by: かねごん | September 24, 2004 at 04:00 PM

トラックバックありがとうございました。

まさに今の教育は「先送り」になっていて、そのツケを高校あるいは大学で支払っているかんじでしょうか?

いや、支払うところまでは行かず、
「今の子どもたちは学力がない」というだけで終わっているのかも。

と思いながらも何もできずにいる毎日を過ごしている数学教員だったりします∥-_-∥

Posted by: Cos | September 24, 2004 at 11:45 PM

Cosさん,コメントありがとうございます。
ホントに子ども受難の時代ですね。
このたびのニュースで,いろいろな意見を読ませていただいたのですが,大方の意見が“今の子どもってそうなの!?”“大丈夫なのか,こういう状態で”“学校だけでなく,家庭をはじめとして,社会的に取り組まねばならないんじゃないか”といったものだったように思います。
大したことはできないかもしれないんですけれども,自分のできる範囲で具体的な取り組みをしたいと思っているところです。

Posted by: かねごん | September 25, 2004 at 12:44 AM

はじめまして。
ご専門の立場からの,的を得た見解を頂きました。
私は,小学校で教員をしております。
子供たちの体験や感動・・
実感のこもった学びが大切だなぁ。
と思って理科学習に携わってきました。

しかし,長男は高三で,方程式や公式
英文法,古文の単語・・暗記に終始する日々です。

当然知識理解は思考の基になるものとして重要ですね。
でもそればかりでは,少し前の指導要領の失敗にもなる。

小学校・中学校・高校とどう連携をとって学ぶか。

>「理解できない段階(小学生)で単なる知識として教えるこ
>とが良いことか」とあるが,それは小学生に失礼というものだ。
>おまけに「中学校で科学的に教える」とあるが,
>それでは“中学校で学習するまでは天動説としての理解に
>留めておいても良い”ということを言っているのと同じである。
>問題はそういうことではなく,“ゆとり教育”と称して
>学習内容を削減し,それを上級学校へ先送りしている
>教育課程システムを考え直さねばならない,
>ということなのではないのか
..いたく腑に落ちました。今まで様々な御意見を拝見しましたが,そのどれも重要。
一番スタートの小学校で,何をどうすればよいのか
再考します。

Posted by: +Lhaca | September 26, 2004 at 11:06 AM

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